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オタク魂の叫び

ずっと昔、私がオタクだった頃
間違いなく『オタク』はマイノリティだった。

だいたいひとクラスに一人か二人居る暗い奴。
人付き合いがすこぶる下手で、
成績は良いけど、世の中解った風な口調が鼻につく。
身なりはダサダサ。大抵「漫画研究会」か「鉄道研究会」か「写真部」

誰でも思い出す人、いるでしょ?  そう そんな人物
(メガネかけてます、8割方・・・)

パソコンもゲームも普及していない時代だから
『萌える』対象は今ほど多くはないけれど
そんなご時世にしてオタクの情報収集能力と知的好奇心は
凄まじいものがあったと思う。

ある人に尋ねられた「昔のオタクと今のオタクの一番の違いは?」
咄嗟に答えたのは「ファッションセンス」

でも、今一度考えてみると大きな相違点は「社会性の有無」だ。


調査したわけではないが、(自称)オタク人口は、この30年で激増したのではないか。
もともと一般的な日本人気質と『オタク的文化』は相性がよく
アニメ・コミック・ゲームという世界に誇れる文化の発展を築けたのは、
ニッチではなく、国内マーケットとして大成功したからであろうし、
専門家、研究者、評論家と言う肩書きを持つ人はなんらかのオタクである。
以前からオタクっぽい職業は存在していたが、広く浅く人数を増やすことで
あらゆる業界で「オタク人」としての人権が認められたのだ。

その上「オタク」の定義が多様化した現在では、
日本人総オタク化現象と言っても過言でないくらい
恥ずかしげもなく、みんながやたらとオタクとなる。

そこで、もう一度考えてみる。

今のオタクを偽者呼ばわりするわけではないが、
古来偏見の中、薄笑いを浮かべてしぶとく暗く生きるオタク、本物のオタクは
もう、居ないのだろうか。

答えは、否  しっかり生きている(と信じたい)

社会性が身に付いた時点でオタクは、真のオタクではない。
ただ、社会性があっても広義のオタクの範疇で、
ニコニコしながら名札付けているだけなら
毒にも薬にもならないので、問題ないだろうが。


真のオタクは魂の在処が違う。
「おたく、この裏情報知ってるぅ?」
「おたくさぁ、そのセル画とこれ、交換してくんない?」
「おたく、○◆※#▽●についてどう読む?」
自分以外の他者を「おたく」と呼び、一定の距離感を保つ。
相手の名前には興味もないし、呼ぶつもりもない。
自分の知り得た情報に確固たる自信を持ち自己陶酔。
他人はヒトではなく、情報源のひとつであり、観客でしかない。

狭義のオタク=真のオタクは、ぬるま湯のような総オタクの社会を
横目で眺めつつ、「お前ら素人の飛びつくオタク関連商品には興味無いよ」
と商ビジネスの陰謀に巻き込まれる「オタクモドキども」をせせら笑いながら
絶滅とは無縁に、不気味な生命力を漂わせているに違いない。

広義のオタクをターゲットとした「オタク市場」
好きなもの気になるものに金を出すのは、誰でも同じ。
人々が「オタク市場」の開拓と呼んでいるものは、オタク相手の商売ではなく、
消費者誰もが持っているオタク風な着眼点をくすぐる商品開発のような気がする。
ピンク色髪の毛キャラクター、謎が謎呼ぶストーリー展開、
声優が歌って踊るイベント、レアでないオリジナルグッズの販売
明るいマンガ専門店、コスプレアイドル登場のコミケ、『ヲタ』というロゴ・・・・・

経済的に拡大成長する「オタク市場」は、真のオタク魂を持った人間にとっては
結構どうでもいいのかもしれない。

なんせ、真のオタクには『社会性』無いもんでね。



自分にとって、結婚や出産は、「オタク」としての卒業や引退にはならなかった。

『魂の封印』により、オタク界からの一時的な追放
アイテムを揃えて、伝道者と出会い、奪われた記憶を取り戻す
魂を解放する鍵は、時の予言により幾通りも存在し、運命を選択する。
そして、遂に封印は解かれる・・・・・

オタクの生きる世界は、ATフィールドによって守られている限り
永久に不滅です、と信じる人々のさいわいを祈って・・・
by on-nao | 2004-09-23 18:30 | おとおし
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