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ファブレス社長

はじめてお会いしたのだが、一目で判った。

この人には、有り余るほどの時間がある

時間を自由自在に操れると言う事は、これすなわち
『お金持ち』だということだ。

「これでも以前は、製造業で食べてたんですよ。でもね・・・」
「真夏にスーツ着てネクタイして、そういう付き合いのある仕事は
いやになっちゃってね」
「汗をかくのは自分の田畑を耕す時、と決めたんですよ。」
「やたらと広い敷地と工場。自分で製造業してた時よりも、駐車場と貸し工場に
した方が、収益がよくってネ。馬鹿らしくなって『不動産経営』する事に」
「お金の運用はあまり興味ないんですが、『土地と不動産』に働いてもらう、
今はこれが最高だと思えるんですよ。」
「そうそう、趣味でアイデア商品の設計してるんで、たまに知り合いの工場で
製品化してるし、インターネット販売も面白いよね」
「『ものづくり』気分を味わうのはいいよね」

飲みきれなくても、持って帰れるから好評というペットボトル500ccのお茶を
ご馳走になりながら、ただひたすら資産家さんのそれら科白に耳を傾ける。

「昔は40人くらい使ってたかなぁ
みんなどうしてるかなぁ
もうあの生活は出来ないなぁ」
「あ、その商品の価格表示なら、総額っていっても
消費税込みでその価格のままでいいよ。面倒くさいし」
「また、いつでもいらっしゃい」

半分は残したペットボトルの蓋を閉め、カバンに仕舞うと
そそくさと退散した。

金属の削れる音や機械油の匂い
マシニングセンタの前で真剣な目の黒ずんだ作業着
オレンジの刺繍で会社名

私が毎日触れている世界は、今の日本経済の中では
一体どのような立場なのだろう

活気はなくても熱意を感じるのは、私だけの気のせいだろうか

不動産を雇う社長は、優良顧客だが
あまり継続訪問する気になれないな

だめな営業はくだらん理由で客を選り好み、ごめんなさい


やっぱり、基本はものづくりだろおー!と信じるすべての人のさいわいを祈って・・・
by on-nao | 2004-06-02 00:08 | をとこ
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